2025/4/28 Updated by

Docker 入門

Docker の基礎概念と基本操作

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Docker の基礎概念

Docker とは

Dockerは、「コンテナ型仮想化技術」を使って、アプリケーションを「どこでも・同じように」動かせるようにするプラットフォームである。

従来の仮想化 (例 VMware) では「ハードウェア全体を仮想化」していたが、「コンテナ型仮想化」では「OSレベルで分離・軽量な仮想環境を作る。

そのため、Docker は以下のような利点を持つ。

「軽量で高速に実行できる」
「移植性が高い」= 「どのOS上でも同じ Docker Image が動作する)」
「再現性が高い」= 「どの計算機上でも同じDocker Imageが動作する)」
「マイクロサービス化が可能」 = 「小さなサービスごとに分けて管理できる)」

Docker における「ホストOS」と「ゲストOS」

Docker が動作しているコンピュータを「ホストOS」と呼び、 Docker の中で動作している仮想化された計算環境を「ゲストOS」と呼ぶ。

すなわち、Docker においては、「ゲストOS」とは「Container」のこと と考えると理解しやすい。

Docker Engine と Docker Desktop

Docker の実行環境としては、Docker Engine と　Docker Desktop がある。

Docker Engine

Docker の中核となるコンポーネント。「コンテナを生成・管理・削除する」ためのサーバプログラムと、それを操作するクライアント群で構成される。 CUI (= 非 GUI)で操作を行う。

Docker Desktop

Docker Engine を含みつつ、GUI で操作できるようにしたもの。

Docker の構成要素

Docker Image と Docker Container の違いについて理解すると、docker がわかる。

Docker Image

OS やアプリケーションとメタデータを一つのファイルにまとめたもの。
Container (実行環境)を作成する元になるデータであり、 Image 自体が動作するわけではない。
オブジェクト指向におけるクラスに相当する。

(操作)Image の一覧を表示する
  $ docker image ls

Docker Container

Image を、ホストOSや他のゲストOSとは独立した仮想環境で動作するように、実体化したもの。
Image を read-only でマウントし、書き込み可能なファイルシステムを追加することで、Container を生成する。
書き込み可能なファイルシステムは実行中のコンテナ単位で管理されるので、Image は影響を受けない。
Container は「実行中」と「停止中」という2種類の状態を持つ。
オブジェクト指向における、インスタンス(オブジェクト)に相当する。

(操作) Container の一覧を表示する
  $ docker container ls -a

Docker の基本操作

以下の Docker の操作コマンドには、操作対象 (image か container ) を省略可能な場合があるが、混乱の元なので省略形は使わないことを推奨する。

Image を取得して Container を生成し、その Container を起動する操作: run

  $ docker run オプション イメージ名

run は pull + create + start という一連の操作をひとつにまとめたものである。 runコマンドのオプションとして pull, create, start 各コマンドのオプションを指定できる。

pull ... Image を取得する
create ... Container を生成する
start　... Container を開始する

(使用例)

  $ docker run -dit --name string -p host_port:container_port -v host_dir:container_dir イメージ名

Image に対する操作

Image の一覧を表示する

  $ docker image ls

Imageを取得する

  $ docker pull イメージ名

  $ docker pull イメージ名:タグ

  $ docker pull イメージID

Image を削除する

  $ docker image rm イメージ名

  $ docker image rm イメージID

Container に対する操作

Container の一覧を表示する

$ docker container ls -a

動作中のContainer の一覧を表示する

  $ docker container ls

Container を作成する

  $ docker create  オプション  イメージ名  実行コマンド

  $ docker create  オプション  イメージID  実行コマンド

[オプション]

--name $~string$	名前を $string$ と指定する
--publish, -p $~int_1$:$int_2$	port mapping を指定する ($int_1$ はホストのポート番号, $int_2$ はコンテナのポート番号)
--volume, -v $~string_1$:$string_2$	ボリュームをマウントする ($string_1$: ホスト側のパス, $string_2$:コンテナ側のパス)

Container を開始する

  $ docker  start オプション  コンテナ名

  $ docker  start オプション  コンテナID